英国で500年以上の歴史を誇るスコッチウイスキー産業が活況を呈している。世界的な蒸留酒ブームに加え、英EU離脱決定で下落した通貨ポンドが輸出を後押しする。英政府は今後の主力産業に育成したい考えだが、離脱に反対する多くのスコットランド人の心境は複雑だ。

ロンドン支局 蛯谷 敏
2000年、日経BP社に入社。本誌編集部で2006年から通信、ネット、金融、政治などを担当。日経ビジネスDigital編集長を経て2014年4月からロンドン支局長。
スコッチブランド「ジェームズ・イーディー」を復活させたルーパート・パトリック氏(右端)(写真=永川 智子)

 英北部スコットランド、エジンバラ市の郊外。のどかな羊の放牧地帯の一角にある蒸留所で昨年、約80年ぶりにスコッチウイスキーのブランドが復活した。「ジェームズ・イーディー」は1854年に創業した老舗で、1933年に廃業するまでスコッチを製造し続けた。数年前、創業者の玄孫にあたるルーパート・パトリック氏が偶然見つけた当時の製造レシピを基にスコッチを再現。専門家から高い評価を得たことから復活を決めた。

 モルトウイスキー12種とグレーンウイスキー2種をブレンドした代表作の「トレードマークX」は、英国で高い人気を獲得。日本への輸出も始めた。