機械学習やAIといった最新技術の進歩が近い将来、人間が担ってきた仕事の多くを奪うことが現実となりつつある。足元の生産性は伸び悩むも、それは人間向けのより複雑な仕事が生まれる過渡期ゆえと主張する経済学者もいる。技術革新で生まれた新しい仕事に付いていけるだけのスキルを身につけることが、これからの労働者に求められる。

医療や外食サービスといった、これまで機械化が難しいとされた分野でも、近い将来、自動化は進むと考えられている(写真=picture alliance/アフロ)

 IT(情報技術)が急速に進歩する時、生産性の伸び率はなぜ低くなってしまうのか──。1980年代から90年代初めにかけてさかんになされた論争が、再び経済学をにぎわせている。

 近い将来に機械学習やAI(人工知能)が多くの労働者の職を奪うことを、多数のコンピューター専門家たちが認め始めた(ビル・ゲイツ氏が自動化を抑止すべく「ロボット税」の導入を提案したり、イーロン・マスク氏がベーシックインカムの導入を支持するなど、テック業界の大物もこの点に言及している)。

 経済学者の多くは、何百万人もの労働者を解雇に追い込む生産性の急速な上昇があったとしても、ただちに生じるわけではないと考える。それでも米フィラデルフィアで1月7日まで開催された米国経済学会(AEA)の年次大会では、経済学者たちがテクノロジー信奉者の主張を真剣にとらえている様子が見られた。生産性の停滞がテーマのセッションはにぎわっていたし、自動化がもたらす影響を扱ったセッションの多くが満員だった。