「The Economist」「The Financial Times」など「日経ビジネス」が提携する海外メディアの記事を翻訳してお届けします。
シリーズ
世界鳥瞰

777回
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米中衝突のあおり受けるTSMC
世界最大の半導体受託製造会社である台湾のTSMCが、生産体制増強に向けて設備投資を強化している。半導体需要が急増している上、米企業が中国に頼らない半導体供給体制を確立しようとTSMCに注文が殺到した。米国は中国への半導体…
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中国の高圧外交、どう対処する
自分の意に沿わない行動をした国に対して制裁を科す中国の「高圧外交」に悩むアジア太平洋諸国は多い。多くの製品輸出がストップしているオーストラリアでは妥協する意思がなく、貿易紛争は長丁場になりそうだ。中国の脅しに対抗するには…
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技術者が警告「AIは偏見持つ」
グーグルのAI倫理研究チーム責任者の解雇をきっかけに、AIが持つバイアスの問題に注目が集まっている。大量のテキストから学習するAIは、人種やジェンダーに関する過去のバイアスを取り込んでしまうという。より公正な判断をするA…
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デジタル人民元、狙いは国内統制
中国で、スマホのアプリで扱えるデジタル通貨「デジタル人民元」の運用試験が行われた。デジタル通貨は各国で検討が進むが、人民元の国際化を目指す中国が一歩抜きんでた形だ。しかし中国政府の真の狙いは、すべての決済情報を把握して国…
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米国は脱炭素へ真剣に取り組め
バイデン政権が定めた気候変動対策を、この10年でいかに進めるかが今後の米国の針路を左右するだろう。米国はイノベーションが得意な国だが、2050年までの脱炭素達成には、大規模な変革を起こす必要がある。国際社会の場でも削減に…
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対中硬化に転じる英国、中国ではジャガーへの報復制裁取り沙汰
英国はジョンソン政権になって対中姿勢を硬化させている。中国テレビ局の英国での免許を取り消した。貿易関連法案には人権重視を盛り込む。中国は今のところ言葉で応酬するのみだが、いずれ厳しい制裁に転じる可能性も考える必要がある。
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豪州、Googleなき生活はあり得るか
オーストラリア政府は、グーグルなどが検索結果にニュースを表示する際、報道機関に料金を支払うべきだと考える。それを義務付ける法案を準備中だ。グーグルは反発し、豪市場からの撤退をちらつかせる。検索による顧客誘導に頼る小企業は…
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FRB発の混乱が残した亡霊にとらわれすぎれば、一層大きな混乱生む
パウエル米FRB議長は景気刺激策に伴うインフレの懸念を否定し、金融緩和政策を続けると発表した。緩和継続自体は問題ないとしても、2022年まで緩和を続けるといった明確すぎる予告が資産の高騰を呼んでいる。FRBはテーパータン…
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米中デカップリングの真実
トランプ前政権は、経済面における中国とのデカップリング(分断)を実現すべく様々な策を講じた。だが、投資に焦点を当てて見ると、分断は実現に至っていない。それどころか、数字は投資のさらなる拡大を示す。米投資会社は利益の源を中…
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アップル対フェイスブック、建前の裏に透ける本音
ユーザーのプライバシー保護をめぐって、アップルとフェイスブックが激しいさや当てを演じている。前者はプライバシー情報の保護を強める意向。後者はこれに対し、ターゲティング広告を難しくすると反論する。ただし、どちらも無私の動き…
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なぜ今? 中国ネットで高まる資本主義批判
中国のネット上で資本主義批判が高まっている。若者たちは毛沢東を称賛し、ジャック・マー氏を批判する。背景には、格差の拡大とSNSの普及がある。ただし中国共産党は、民間大手企業を重用する姿勢を変えはしないだろう。
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中国フードデリバリーの悲惨な現場
中国でフードデリバリーサービスが急拡大している。その配達人たちが働く環境は悲惨だ。厳しい配達期限を課され、守れなければ罰金を支払わなければならない。これが交通事故を招く。それでも彼らは正社員でなく、アリババなど大手は雇用…
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ワクチン先進国イスラエルの実情
人口1000万人に満たないイスラエルが、大量のワクチンを獲得し、すでに人口の40%に1回目の接種を済ませた。政府が迅速に動いた背景に、3月の総選挙がある。ネタニヤフ首相は再選を目指し、ワクチン政策に力を入れる。ただし感染…
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「最低賃金15ドル」でも合意できない米国の分断
米国のバイデン新大統領は、最低賃金を時給7.25ドルから15ドルに倍増させる計画を推進する。景気刺激や格差解消に加え、パンデミックの中で働くエッセンシャルワーカーに給与で報いるとの側面がある。大統領選での公約であり、エコ…
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米新政権に求められる対中政策の一貫性
トランプ政権の対中政策は、強硬な姿勢を取りつつ経済的に依存する、矛盾したものだった。米国という求心力を失った西側諸国は対中政策で足並みをそろえることができず、中国に主導権を渡してきた。バイデン新大統領の就任を機に、西側諸…
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厳格さがあだとなり信者減? イランのイスラム教シーア派
イランは、イスラム教シーア派の盟主だ。しかし、他の宗教や、イスラム教の他の宗派が拡大しているという。「強圧こそが宗教国家を守る」という聖職者の考えが、シーア派離れを促している。
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時価総額8000億ドル超えたテスラの明と暗
テスラの時価総額が1月、ついに8000億ドルを超えた。だが、その展望は分かれる。強気の見方は「生産地獄は解消した」「その技術力は非常に高い」というもの。他方、弱気の見方として「競合が猛追している」「生産目標を達成できなか…
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バンガード、有力顧客を切り離した理由
世界を代表する米資産運用会社、バンガードの運用資産が節目となる7兆ドルを突破した。7.8兆ドルを集める米ブラックロックとともに、世界の資産運用業界で支配的な地位を築いている。今後はより一層、個人事業に注力し、長期目線で顧…
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トランプ大統領を生み出した勢力の再来を防ぐ「処方箋」
トランプ大統領誕生の背景には、共和党と長年にわたり共存してきた拝金主義的な政治システムが関係している。富裕層優遇で生まれた格差がポピュリストや差別主義者を生み、トランプ氏は彼らの不満をテコに勢力を増した。再びこうした「脅…
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中国人が強権的なコロナ対策に従うのはなぜか
中国では強制力を持つ厳格な感染拡大防止策が講じられており、効果を上げている。中国国民がこうした施策を受け入れるのは、個人の自由を気にかけないからではない。共産党の政治的プロパガンダとともに、経済的、文化的、歴史的な背景も…
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ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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グルメサイトという幻
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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テスラが仕掛ける電池戦争
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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