「The Economist」「The Financial Times」など「日経ビジネス」が提携する海外メディアの記事を翻訳してお届けします。
シリーズ
世界鳥瞰

733回
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脅かされる報道の自由、我々に何ができるか
世界の報道の自由度は冷戦期の水準にまで後退している。しかも、以前より抑圧手段が「進化」し、最新技術やSNSや法的な手法が用いられる。これに対抗するには、やはり技術の活用と、自由なジャーナリストによる国際的な支援が必要だ。
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フィンランドとスウェーデン、北欧2国が抱えるNATO加盟のジレンマ
フィンランドとスウェーデンが近くNATOへの加盟を申請する見込みだ。しかし、正式加盟までの集団安全保障が適用されない期間に加盟国からどのような支援を受けられるかが問題になる。ロシアを挑発せずに抑止するバランスのとれた対応…
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米中間選挙、トランプ氏からの推薦は追い風か逆風か
今秋の米中間選挙に向けた各州の候補者選びの予備選挙が間もなく本格化する。共和党の各候補は、トランプ前大統領との距離のとり方に悩む。熱心な党員が投票する予備選ではトランプ寄りの姿勢を示すほうが有利だが、それを強く打ち出し過…
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中国とソロモン諸島が安保協定、その3年前からうごめいた中国企業
中国の数多くの民間企業が、世界の戦略的な要地にある島や港を開発する計画を各国政府に持ち込んでいる。必ずしも中国政府の指令を受けているわけではなく、政府からの事後支援を期待した無謀な提案もある。西側諸国は、中国政府と民間企…
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対ロシア金融制裁の舞台裏~最後まで決断しないのは米国だった
米国と欧州は、ロシアがウクライナに侵攻する兆候が見つかった昨年秋から対ロ制裁を準備していた。だが実際の侵攻の規模は予想を超えており、制裁内容も、ロシア外貨準備の凍結という想定以上のものになった。こうして、通貨を兵器として…
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プーチン大統領の腹心か、裏切り者か、新興財閥アブラモビッチ氏
ロシアとウクライナの停戦交渉に、正式なロシア代表団に属さない1人のオリガルヒが関わっている。英サッカークラブ、チェルシーFCのオーナーとして知られるアブラモビッチ氏だ。プーチン大統領やユダヤ人勢力との関係を保ちながら西側…
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EUデジタル新法 押し切られたIT大手
デジタル市場に関するEUの新たな反トラスト法「DMA」の立法化が最終段階にある。プラットフォーマーが市場を支配するために利用してきた自社サービスの優先扱いなどが禁止される。IT大手各社は新法を骨抜きにすべくロビー活動を行…
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文在寅大統領が韓国に残す功績
韓国の文在寅大統領は公約を一つも果たしていないが、退任時の支持率が歴代大統領の中で最も高くなりそうだ。他の先進国よりも新型コロナにうまく対処し、医療崩壊を起こさず死者も抑えられた点が国民に支持されている。国民のワークライ…
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ロシア制裁は西側にも打撃 悪い物価上昇で景気後退の最悪シナリオ
ロシアのウクライナ侵攻は、不安定な景気回復の途上にあった世界経済にさらなる打撃を与えそうだ。エネルギー等の供給制約で世界の経済成長率が低下する一方、物価だけが上がるスタグフレーションが発生する。早目の対処が必要だが、金融…
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“先進国”目指す韓国のジレンマ
大統領選を間近に控えた韓国で、MSCI指数で先進国への編入を目指す制度改革が議論になっている。具体的には、アジア通貨危機以降停止されてきたウォンのオフショア取引再開と空売りの規制撤廃だ。しかし企業統治に不安があり、市場に…
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原油高でもシェール増産に二の足
原油相場が高騰し、シェール企業でも採算が合うレベルに回復した。このため増産を望む声が上がり始めたが、その一方で、これを警戒する投資家も多い。先の相場下落局面で、多くの事業者が資金難に陥ったからだ。今も投資家の顔色をうかが…
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原油価格高騰の陰にAIあり
現在の原油高の原因は基本的に供給不足にある。だが、先物取引の自動化も不均衡を拡大させる一因だ。市場を分析して対応するAIツールは同調行動を生みやすいため、市場の突然の乱高下を招くことがある。投資家や政治家は、取引の自動化…
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誰ぞ知る、中国共産党序列5位の胸の内
英エコノミストが中国共産党序列5位、王滬寧氏の去就に注目した。習近平氏への忠誠を求めるなど同党が進めるプロパガンダ戦略の鍵を握る人物だ。その本音はいずこにあるか。米国に留学し民主主義の長所を知る一方で、政治改革からは距離…
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英の格差是正案、机上の空論に
スキャンダルで窮地に立つジョンソン英首相は、EU離脱後の英国の再建計画に政治生命を賭ける。しかし公表された「レベリングアップ」と呼ばれる地域格差是正計画は、まったく不十分なものだ。地方の生活水準の向上を目標に掲げるが、中…
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米ニューヨーク・タイムズが人気ゲームを買った理由
米ニューヨーク・タイムズ(NYT)が、インターネット上で流行している単語当てゲームのワードルを買収した。新聞内にあるゲームや料理といった娯楽コンテンツは、昔からニュースよりも購読者を引きつける側面があった。NYTはワード…
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米インフレの隠れた主役はトラック運転手
米国の物価上昇が著しい。中でも激しいのはトラック輸送で2021年12月は17%を記録した。原因の一つは運転手が集まらないこと。認可の取得は容易でなく、ガソリン代も自己負担となりがちだからだ。インフレへの対処は金融政策だけ…
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ウクライナで緊張高めるロシアを冷めた目で見る中国
中国がロシアとの結びつきを強め、ウクライナ危機を台湾武力統一の試金石だと考えているとの見方がある。しかし中国の研究者はそうした見方を否定し、中国にとりロシアはさほど重要な国ではないと指摘する。重要なのは世界との経済的な結…
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大きな政府を求める米エクソンモービルの脱炭素
米エクソンモービルが、自社操業で生じる温暖化ガスを2050年までに実質ゼロにすると発表した。低炭素技術を駆使し、排出絶対量を減らす。カーボンオフセット頼みの見せかけにはとどまらない。一方で、同社は政府の支援が必要だという…
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中国経済運営に求められるカーリングの技
中国の2021年の実質GDP成長率は8.1%増で、一見したところ好調に見える。しかし、これは20年が不振だった反動だ。ゼロコロナ政策は都市封鎖を招き、経済の足を引っ張る。22年の成長目標は「5%」。インフレを招くことなく…
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米IT株の下落は「逆風」にあらず
これまで史上最高値を更新し続けていた米国株市場が22年に入って下落、割高感のあったIT銘柄が売られている。アップルやグーグルなど巨大IT企業の株価下落は限定的だが、ソフトウエア関連の成長銘柄は調整局面に入った。だがデジタ…
WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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