「ゆとり世代」の星
リブセンス社長
村上太一(30歳)
「人のため」がカッコいい
利他的経営者が大人気に

 生まれたときから経済は停滞し、さらに少子高齢化で肩身の狭い思いをする若者たち。そんな「ゆとり世代」の希望の星、村上氏。19歳でインターネットメディア運営企業「リブセンス」を立ち上げ、25歳という史上最年少の若さで株式上場を果たした起業家の若者論とは?

 「ゆとり世代」の定義は諸説ありますが、1987年度生まれから2003年度生まれまでの若者(現在、12~29歳)を指す場合が多いようです。私はその1年上の1986年生まれですが、30代前半くらいまでの若者全般をあえて「ゆとり世代」に加えて40代、50代と比較すると、上昇志向や金銭欲が強くないのは確かだと思います。

(写真=中山 博敬)
(写真=中山 博敬)

 でも起業意欲を持つ者はたくさんいる。ただ、モチベーションが異なるんですね。自分がもうけたいというより、社会に何らかの価値を提供したいという利他的な思考が強いんです。

 なぜその種の起業家が増えるのかと言えば、今の若者は「人のためになるのがカッコイイ」と思っているからです。

 この先10年を展望すると、日本は2020年の東京五輪が終わった後の先行きは不透明で、経済的に報われるのが難しい時代になるかもしれません。

 それでも、そうした時代には幸せの価値観も変わり、若者たちは物質的でなく精神的な豊かさを求めていくと僕は思います。利他的な起業家が増えているのはその兆候ではないでしょうか。

若者は確実に優秀になる

 一方で、10年後の若者たちについて断言できるのは、今の若者より確実に優秀だということです。

 五輪で競技の記録が次々に塗り替えられていくことからも明らかですが、教育の仕方や仕事の進め方が効率化されていく分だけ、必ず後の世の若者の方が優秀になるのは当然のことです。

 そうした新しい価値観を持つ若者の下、新たな価値観を持つ企業が生まれていくのは間違いないでしょう。

 その頃には起業の形も変わっているかもしれません。ベンチャーキャピタルや金融機関から資金を調達して利益の最大化を目指すというものではなく、例えば賛同してくれる人から寄付に近い形でお金を集めて事業を立ち上げるといった形です。

 目的は利益ではなく、社会を良くすること。上場企業や投資家の考え方も今まで以上に利益追求だけではなく社会貢献との両立を目指すものに変わっていくだろうと思います。僕自身は、そんな社会を実現した方が、人は幸福だと思うし、10年後の若者にはぜひそうやって世界を変えてもらいたいと願っています。

村上氏の予測
  • 1. 2020年以降の経済は不透明
  • 2. 精神的な豊かさを求める若者が増える
  • 3. 企業の行動基準が変わる

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