異色の医師兼IT起業家
エクスメディオ社長
物部真一郎(33歳)
AIを頼りにがん発見
さよなら「属人的医療」

 精神科医としての勤務後、米スタンフォード大学でMBA(経営学修士号)取得。オンラインで医師同士が相談し合える仕組みを開発。現役の医師とIT企業経営者という二足のわらじを履く。

 10年後、医師がAI(人工知能)を使いこなして、医療はさらに進化していると思います。米国のあるITベンチャーは、AIにレントゲン写真などの画像情報を読み取らせ、悪性腫瘍を見つける技術を発表しています。肺がんの検出精度は人間の医師を上回ったそうです。医師兼ITベンチャー社長である私も昨年から皮膚疾患の画像診断装置の開発を始めました。

 日本で医師として働いた後、米国のビジネススクールに留学した際、米国では医療とビジネスの敷居が低いと感じました。腕の良い外科医が「こちらの方がもうかる」という理由で金融機関に転職することもあります。

 高知大学医学部で「県民80万人に尽くすべし」という教育を受けた私にとってはカルチャーギャップでした。海外で医師は単なる「職業」である一方、日本では「社会資本」なんです。

 AIが人間の医師に置き換わるのではと考える人は多いですが、私は使いこなすべき医療機器だと見ています。考えてみれば、インターネットが普及してから様々なビジネスが変わってきたのに、医療現場は医師の属人的な能力に頼る部分が大きかった。高い倫理観を求められてきて、勉強熱心な日本の医師こそ、AIという武器を10年後に巧みに使いこなすはずです。

物部の予測
  • 1. 医療機器としてのAIが普及
  • 2. 人間の医師はさらに進化
  • 3. 日本の医師はAIを使いこなす