ほほ笑みの日中懸け橋
ソフトブレーン創業者
宋 文洲(53歳)
日米関係は安定を維持
世界も平和に向かう

 中国山東省出身。日本でソフトブレーンを起業し、成人後に来日した外国人として初めて日本の証券市場(東証マザーズ)に上場を果たす。現在は歯に衣着せぬ発言で経済・経営評論家としても活躍。日本と中国という2つの国の実情を独自の視点で分析する宋氏が、2017年の外交を斬る。

 トランプ氏が大統領選で勝つことも、英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝つことも事前に予想していました。自慢ではありませんが、トランプ氏が勝つことは60%くらいあり得ると思っていました。

(写真=的野 弘路)
(写真=的野 弘路)

 みんないろいろ心配しているようですが、トランプ氏が大統領になれば、日米外交も世界経済も良くなります。トランプ氏は米国の経済、利益を第一に考えるので、余計なことをしなくなるからです。

 選挙中の演説にしても、かなりまともな話をしていました。乱暴にしゃべるから誤解を生む。過激な発言は10話したうちの1つ。メディアがそればかりを強調するから、とんでもない人物に見えますが、実際はそうではない。トランプ氏に投票した米国人も実はまともなんです。

 米中関係も良くなります。

 トランプ氏は中国に対し「仕事を盗んでいる」と発言していますが、それはある意味当然です。各国が自国の利益を追求することは健全な姿です。もちろん、自分の利益を追求すれば、他人の利益と相反することも起きます。そのときは交渉して、お互い落としどころを探る。これが外交です。

外交がむしろ健全化する

 トランプ氏がそう思うなら中国と徹底的に議論して、戦争ではなく外交的に戦えばよいのです。経済も人間も本質は利己的。ただ、1人で生きているわけではないから相手に損害を与えるようなことがあれば、相手は反発します。そこで交渉して、お互いが納得できる均衡点が見つかります。

 トランプ氏は米国の利益にならないことは一切しないでしょうから、実益のない原理原則を他国に一方的に押しつけ通すこともしないでしょう。戦争も起きません。そうやってトランプ氏が本来の外交をするなら各国も右に倣えで、世界の外交は健全な姿になります。もちろん日本も含めて。日中関係も新しい段階に入るでしょう。

 今年は大きな転換点。各国が自国の経済に集中する「いい意味での利己主義」は今後の世界の潮流になり、それは長く続いていくでしょう。

宋氏の予測
  • 1. トランプ氏は余計なことはしない
  • 2. 本音をぶつけ、落としどころを  探る本来の外交が根付く
  • 3. 日中関係のこれ以上の  悪化はない

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