(写真=Juraj Kovács / EyeEm/Getty Images)

 品質データの不正を知っていたのに危険性がある製品の出荷を続ける──。三菱マテリアルの子会社で発覚した問題は、企業の倫理観を問うものだった。

 三菱電線工業は、油や水などの漏れを防ぐシール材に不良がある可能性を知りながら、半年以上も出荷を続けてきた。全体の2割に当たる約2億7000万個に不適合の可能性があった。

 「漏れが生じる恐れはあるが、納入先の大多数は2年~2年半で部品交換している。今のところクレームや苦情はない」。同社の村田博昭・前社長は耳を疑うような認識を会見で口にした。三菱電線のシール材は原子力発電所の原子炉にも使われている可能性がある。