(写真=Hans Neleman/Getty Images)

 日産自動車や神戸製鋼所の品質問題は、決して対岸の火事ではない――。日経BP社の技術者向け専門誌が実施したアンケート調査で、製造現場が品質問題について強い危機感を持っていることが分かった。一連の品質問題が日本の製造業に悪影響を及ぼすと回答した割合は、全体の約9割に達する。

 深刻なのはデータ偽装が自社で起きる可能性を指摘する声が多かったことだ。全体の1割が「既に発生していると思う」と回答。「可能性は十分にある」「可能性がないとは言えない」を合わせると、実に8割近くの回答者が自社の製造現場に疑いの目を向けている。「一部の企業がやったこと」とデータ偽装を切り捨てることはもはや不可能だ。

 自由回答欄からは現場の苦悩が浮かぶ。「『良いものをより安く』という考え方が崩壊しつつある」「基本中の基本がなおざりになっている」など、現場の「質の劣化」を嘆く声に加え、コストダウンや納期短縮といった「(取引先の)大企業の不当要求」に根本原因があるとの指摘もあった。

 製造業を取り巻く環境が大きく変わる中で、旧態依然とした法令や商慣習に危機感を募らせていることも浮かび上がった今回の調査。経営陣は現場の声に真摯に向き合う必要があるだろう。