短くても長くても批判の対象に

 社長交代のタイミングについては、これまでも様々な形で議論されてきた。よくある批判が、「日本企業の社長はコロコロ代わりすぎる」というもの。内部昇格のいわゆる「サラリーマン社長」が多く、4~6年で交代することが慣例となっている。そのため長期的な視点からの大胆な事業構造の組み替えなどが苦手であるというロジックだ。

 それとは反対に、長きにわたって企業を成長に導いてきた「カリスマ経営者」の負の側面を指摘する声もある。

 社内外での存在が大きくなり、独裁的になればなるほど、後継者へのバトンタッチが難しくなるからだ。

 カリスマ経営者が交代すると成長鈍化や求心力低下といったリスクが高まるため、おのずと長期政権になりがちだ。場合によっては、後継者を巡るトラブルで晩節を汚したり、高齢化に伴う健康問題などが浮上することもある。

 それまでの実績が大きいだけに、経営の継承に失敗した時の悪い印象が残り、次世代にも尾を引くことになる。

 短くても、長くても批判の対象となる。そもそも、トップや後継者の実力、その企業の置かれた状況によって、バトンタッチの最適なタイミングは異なる。だからといって、一定のめどがなければ、規律を保って次世代に経営のバトンを受け渡すことは難しい。