南の島のタクシー運転手夫妻は、月給20万円のカツカツの生活で13人の子供たちを育てた。 「子供は産めば何とかなる」。幸せそうに語るその言葉には、44年間の重みが詰まっている。

<span class="fontBold">当時起こった出来事を互いに確認し合いながら、子育て時代を振り返る徳さん夫妻</span>(写真=陶山 勉)
当時起こった出来事を互いに確認し合いながら、子育て時代を振り返る徳さん夫妻(写真=陶山 勉)

 木枯らしが吹き始めた11月初めのある日、鹿児島県奄美市在住のタクシー運転手で、「徳さん」と呼ばれている男(65)は、妻(64)と共に東京・羽田に降り立った。5年ぶりに訪れる東京は、前よりも建物が増えた感じがする。

 慣れない寒さにジャケットの襟を立て、足早に歩く周囲に戸惑いながら電車を乗り継ぎ向かった先は、神奈川県川崎市。ここに徳さんの次男と三男が住む小さなアパートがある。夫妻は3週間と2日、ここを中心に寝泊まりして過ごした。

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