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ポスト平成に向け様々な試練が立ちはだかる日本。だが消費意欲をかき立てる様々なイベントも待つ。後押しするのは技術革新と新しい消費世代の台頭だ。

世界のVIP集結
改元・10連休が特需生む

 2019年、海外から要人が多数訪れるイベントが多いことは指摘した。これらは大きな商機をもたらす可能性も高い。特に期待できるのは「新天皇の即位」と「10連休」だ。

 既に、今上天皇を一目見ようと、19年1月の一般参賀は予約が殺到。バス会社が旅行予約の受け付けを始めると、瞬く間にキャンセル待ちとなった。18年12月8日には、皇太子さまが新天皇に即位される19年5月1日と即位礼正殿の儀が執り行われる10月22日を1年限りの祝日とする法律が成立。祝日に挟まれた日を休日とする祝日法の規定により、昭和の日(4月29日)の翌日(4月30日、今上天皇陛下退位)と憲法記念日(5月3日)の前日(5月2日)も休日となる。土日を入れればゴールデンウイークが10連休になる計算だ。

 民間企業は特需に沸く。旅行大手のJTBでは、10連休中の海外旅行の予約者数は18年10月上旬時点の約2倍。長期の旅行に向く欧州やハワイが好調だ。

新天皇が即位する2019年5月1日が祝日になり、祝日法の規定で10連休になるゴールデンウイーク

 旅館やホテルでも10連休を狙った特別プランが並ぶ。00年の「世紀末婚」や01年の「新世紀婚」と同様、新元号にあやかった結婚が増えるとの見通しから、東京ベイ舞浜ホテルやホテルニューオータニなどでは、新元号の特別ウエディングプランを用意する。

 この時期はインバウンドも盛り上がる。中国の労働節(5月1日)や韓国のこどもの日(5月5日)などで、訪日外国人が繁華街に流れ込む。

約30年ぶりのVIP集結

 19年10月の即位礼正殿の儀には、世界中からVIPが来日する。約30年前の即位には158の国・地域から参列者が集まり、国王7人、大統領46人、首相11人が来日した。多くの要人が集まるだけに、政府専用機の離着陸から警備に至るまで、少なくないカネが動く。

 皇位継承に合わせて、30年慣れ親しんだ「元号」も変わる。公表時期は未定だが、政府は18年5月、皇位継承1カ月前の19年4月1日を想定して、元号を使っている行政システムの改修準備をする方針を示した。

 改元関連の特需として、一般的に知られているのはカレンダーや行政の証明書など印刷需要の発生だ。

 また、昭和から平成に元号が変わった1989年と大きく異なるのはIT(情報技術)分野の進展度合いだ。前述の行政システムなど、「改元の対象となるシステムの洗い出しや改元後のテストなどに工数がかかる」(富士通)という。SE(システムエンジニア)の確保が難しい中、駆け込み需要などで受注単価が上がり、こちらも特需となるだろう。

 改元も10連休も「確実に来る未来」。19年は悪いことばかりではない。

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 様々な試練が待ち受ける2019年以降の日本経済。多くの個人が将来に不安を感じ資産運用にいそしんでいる。そんな中、19年は新しい個人の資産運用法が脚光を浴びるかもしれない。

 「若い頃はできるだけ長く働きたいと思っていたが、会社員として先が見えてきた」。中年期に入った会社員ならば誰しも一度は抱きそうな悩みを、名古屋市在住の加藤久仁明氏(54歳)は打ち明ける。 大学卒業後、地元の東邦ガスに入社。14年には政府開発援助(ODA)のコンサルティングを手掛ける企業に転職した。給与に不満はなかったが「コンサルとしてのキャリアは短く、競争が激化する中で生き残れない」との焦燥感もあった。

 どうせなら自分が心から好きと思える新しい仕事を始めてみたい。ただ、一から会社を興していくほど体力があるわけではない。選んだ道が「会社を買う」ことだった。

●投資信託の運用損益で分類した顧客の比率
出所:金融庁
予備校を買収した加藤氏。会社員としての先行きに限界を感じていた(写真=尾関 裕士)
京都市の金属加工会社を買収した溝口氏(左)。京都中央信金が無担保無保証で融資した(写真=水野 浩志)