世論に背を向け、自社の論理に固執したタカタは経営破綻に追い込まれた。LGBTや過労死など、関心の高まる社会テーマに寄り添えるかどうかが企業の評価を左右する。

6月26日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したタカタ。高田重久会長兼社長(右)は「深くおわびする」と謝罪しつつ、無念さをにじませた(写真=2点:AFP/アフロ)

 優良企業を破綻に追い込んだ一因は、長期にわたって社会の「常識」に背を向け続けた自らの姿勢にあった。

 6月26日、世界の自動車業界を揺るがした大手企業が、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。シートベルトなどの安全部品で高い世界シェアを持ちながら、欠陥エアバッグの異常破裂問題を起こしたタカタ。同社の最終的な負債総額は1兆円超の見通しで、製造業では戦後最大の経営破綻となった。

 同日に記者会見に臨んだ高田重久会長兼社長は、「すべての関係者、債権者にご迷惑をおかけすることとなり、心より深くおわびしたい」と陳謝した。米国で最初に製品の異常破裂が確認されたのは2004年。08年に初期のリコール(回収・無償修理)が実施されてからも、すでに10年近くが経過していた。