日産ゴーン元会長の逮捕劇に日大アメフト部の危険タックル。昨年から続く、自動車や素材メーカーの品質不正──。今年も経営者が頭を下げる多くの不祥事が耳目を集めた。その中で目立ったのは、教科書には載っていない「型破り」な謝罪だ。常識知らず、礼儀知らずと非難されたものばかりではない。「そこまでやるか」という驚きが、誠意と受け取られるケースもあった。ハイリスク・ハイリターンの新たな謝罪。何がその成否を分けるのか。
(寺岡 篤志、北西 厚一、奥平 力)
1月
コインチェック

運営する取引所から580億円分の仮想通貨が不正流出。関東財務局から業務改善命令を受けた
2月
川崎重工

JR西の新幹線の台車に大きな亀裂が発生。納入元である川重の製造過程でのミスが原因だった
3月
佐川前国税庁長官

森友学園への国有地売却を指揮。交渉記録を破棄したと国会答弁したが、その後文書が見つかった
4月
ザッカーバーグ氏

フェイスブックで大量のユーザー情報が不正流出。ネクタイ姿で米議会に出席し「私の過ち」と語った
5月
スルガ銀行

シェアハウス融資で書類を改ざんした疑いが浮上。その後、多くの不動産での不適切融資が発覚した
6月
日立化成

ビルや工場で使う鉛蓄電池で、品質検査のデータを改ざん。不正は少なくとも7年以上続いていた
7月
野田聖子氏

朝日新聞記者による金融庁への情報公開請求を記者懇談会で吐露。「慎重さに欠けた」と謝罪
8月
東京医科大

女子と3浪以上の入学を制限するため入試の得点を減点。文科省幹部の息子らには加点していた
9月
北海道電力

大規模地震で道内最大の発電所が停止し、295万戸が停電。謝罪とともに節電への協力を求めた
10月
西日本高速道路

2015年に男性社員が過労自殺。遺族との調停に合意し、労務管理が不適切だったことを謝罪した
11月
日テレ

バラエティー番組の企画でやらせ疑惑が浮上。「放送責任は全て日本テレビが負う」と頭を下げた
2018年代表
日産

不適正検査など不祥事が続く中、現役会長が有価証券報告書の虚偽記載容疑で逮捕された
CONTENTS
PART 1
ゴーン氏批判に終始した西川社長
トップだからできる型破り謝罪
PART 2
危機本部の遅れ、説明責任を放棄
日大の危険タックル事件 理事長が雲隠れのワケ