度重なる記者会見、「釈明」に終始する態度、現場との溝を深める失言……。危機管理の基本である初動とメディア対応を誤った2社が払った代償は大きい。

日産自動車、神戸製鋼所、スバル、三菱マテリアル、そして東レ──。9月末以降、大手製造業で品質管理に関わる不正の発覚が続いた。
神戸製鋼所 | 日産自動車 | |
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2016年6月に鉄鋼部門で発生したJIS法違反を受け、実施した自主点検で不正が発覚 | 8月末 | |
9月 18~29日 |
国土交通省の立ち入り監査で不正が発覚 | |
29日 | 国内6工場で無資格者が完成車検査を行っていたと公表 広報部長らが記者会見 |
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10月2日 | 西川広人社長兼CEOが会見 「9月20日以降は100%認定検査員が行っている」 |
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6日 | 約116万台のリコール届け出 10月16日の中期経営計画の発表を延期 |
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アルミ・銅の品質データ改ざんを公表 梅原尚人副社長らが記者会見 |
10月8日 | |
鉄粉・ターゲット材のデータ改ざんを公表 勝川四志彦常務執行役員らが会見 9月28日時点で把握していたが10月8日に公表しなかったことについて、「調査中だった。決して隠そうとしたわけではない」 |
11日 | |
川崎博也会長兼社長が経済産業省の多田明弘製造産業局長と面会、謝罪会見 鉄鋼事業では鉄粉以外に不正は「ない」 |
12日 | |
主力の鉄鋼事業で別のデータ改ざんを公表。川崎社長が会見 「昨日の段階で知っていた」と前言を撤回 「(9月以降の)自主点検で見つけていないという意味で申し上げた」 |
13日 | |
19日 | 4工場で不正が継続していたと公表 国内6工場で出荷停止 西川社長と山内康裕CCOが会見 「課長から係長のコミュニケーションギャップが非常に大きい」 |
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一部社員が自主点検に協力しない「妨害行為」があったと公表 梅原副社長らが会見 |
20日 | |
21日 | 現場を指揮する係長と経営陣が意見交換 「役員や管理職の責任の方が重い」 |
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25日 | 3万8650台のリコール届け出 | |
安全性の検証状況を報告 外部調査委員会による調査開始 川崎社長らが会見 |
26日 | |
18年3月期の最終損益を黒字から「未定」にすると発表 | 30日 | |
11月8日 | 決算会見の冒頭で西川社長が謝罪 18年3月期の営業利益を下方修正 中期経営計画を発表 国内6工場で生産再開を発表 |
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社内調査報告書を経産省に提出 川崎社長らが会見 |
11月10日 | |
17日 | 社内調査報告書を国交省に提出 西川社長と山内CCOが記者会見 |
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不正製品の納入先525社中496社で安全性を確認 | 12月8日 まで |
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外部調査委員会の調査報告書 | 年内めど |
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