大企業が牛耳る市場に挑戦状をたたきつける。そんな「第三極」のニューカマーたちが、業界を揺さぶっている。2017年以降、彼らが停滞した日本経済の起爆剤になる可能性は高い。

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パワフルで謙虚で自然体
石川康晴 Yasuharu Ishikawa
ストライプインターナショナル社長

(写真=菅野 勝男)

text by 大西 洋
三越伊勢丹ホールディングス社長

 まなざしが真摯。石川社長に会えば誰もがそう思うのではないでしょうか。何しろずっと目を見つめて真剣に話をするので、自然と引き込まれていくんです。

 常に前向き。妥協しない。

 一代で既に1000億円規模の会社に育て、今なお成長し続けている彼のパワーには、いつも感嘆させられます。

 一方で、どんなに成長しているときでも謙虚。常に課題を見いだし、そこからできることをどんどん実行に移していく。

 成長の源泉には、人を大切にするという彼の哲学があるのだと思います。アパレル業界は、今、本当に厳しい局面を迎えています。その中で業績を伸ばしていくには、おのおのの能力を平時以上に引き出す必要がある。石川社長はそれを自然体でできてしまう人なのですね。

 こんなことがありました。彼とあるイベントで一緒になった時、30代の女性役員を紹介されました。30代の女性役員というだけで驚いたのですが、それ以上に石川君が生き生きと彼女の長所や能力を語る。その姿に、同じ経営者として純粋に素晴らしいと思いました。紹介された役員も石川社長を今まで以上に信頼するでしょうし、もっと頑張らないといけないと思うはずでしょう。私も、そんなふうに堂々と紹介できる人材を、しっかり育てなくてはならないと、改めて気持ちを引き締めたことを、今でも覚えています。

 あの真剣なまなざしの先に日本のアパレル業界、ひいては、経済界全体の明るい未来があると信じています。

Profile
「不振のアパレル業界」で気を吐く急成長企業の創業者
1970年生まれ、岡山市出身。95年にクロスカンパニーを設立。99年にSPA(製造小売り)へと組織転換、「アースミュージック&エコロジー」などを展開する。
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これからも「ソース二度づけ禁止!!」
貫 啓二 Keiji Nuki
串カツ田中社長

(写真=村田 和聡)

text by 大倉忠司
鳥貴族社長

 1号店のオープンからわずか8年で約130店を展開するまでになった「串カツ田中」。その創業者の貫啓二社長は、そうした成功におごらないとても謙虚な人です。

 串カツ作りは職人技で、焼き鳥以上に多店舗化が難しいとされていました。食材によって火の通り方も違いますし、きれいに揚げることも難しいためです。

 しかし、貫さんは仕組み作りやオペレーションの工夫で、その問題点を解決してしまった。トヨタグループの会社で働いた経験が役に立っているのだと思います。

 はたから見ていると遊んでいるようにしか見えないかもしれませんが、飲食店経営者にとって、経営者同士での飲み会は「生の情報」を得る貴重な場です。貫さんはとても付き合いが良くて、全国の繁盛店経営者たちから非常に慕われています。

 その結果、全国の繁盛店経営者たちが、「貫さんから多店舗化のノウハウを学びたい」と、「串カツ田中」のフランチャイズ加盟店にはせ参じています。

 彼らは店舗運営のプロですから、居心地の良いサービスでお客様をもてなすのは得意で、それも「串カツ田中」の強さを支えているのだと思います。

 貫さんの「串カツ田中」と私たち「鳥貴族」はチェーン展開を進めることで一人でも多くのお客様に喜んでいただく、多店舗化を進めることで社会に貢献することを目指すという意味で「同志」だと思っています。お互いに切磋琢磨できる良いライバルであり続けたい相手ですね。

Profile
飲食業界屈指の急成長串カツチェーンのトップ
1971年生まれ、大阪府出身。2002年にケージーグラッシーズ(現・串カツ田中)を設立。2008年、都内で1号店をオープンし、現在は約130店を展開する。