一目見て「熱い男」と直感
増田 薫
Kaoru Masuda
プラスワン・マーケティング代表取締役

text by 小谷真生子
キャスター
増田社長に初めてお会いしたのは2015年の頃。知り合いの投資家の方から「将来有望な経営者を紹介したい」と声をかけていただいたのがきっかけでした。姿を一目見て「熱い男」と直感が働きました。話してみるとズバリ。
食事会の場でしたが、料理など目もくれず、額から汗をかいて、一生懸命に事業を説明されていました。スマートフォンと回線、アプリを垂直統合するMVNO(仮想移動体通信事業者)であることが特徴だという趣旨でした。「2025年までにスマートフォンの出荷台数で世界一になって、日本のモノづくりのプレゼンスを復活させる」と。
荒唐無稽に聞こえるかもしれません。けれどその言葉は「あえて大風呂敷を広げて自分に負荷をかけている」ように受け取れました。日本電産の永守重信社長やソフトバンクの孫正義会長といった大企業を立ち上げた経営者に共通する特徴です。増田社長は毎日働くために私服を捨て、1週間をスーツ7、8着で過ごしています。ゴルフもスーツです。成功するまでやり遂げる強い意志を感じました。
「スマホ世界一」という彼の野望は進んでいます。最近では日本国内の専売店舗を200店舗まで増やすと発表しました。今年の8月と9月にはチリの携帯電話会社「エンテル」での端末販売シェアが1位になるなど海外でも自社のスマホを広めています。まだまだ熱い男から目が離せません。
スワヒリ語で談笑し、笑顔で制度を変える
阿子島文子
Fumiko Akojima
ロート・メンソレータム・ケニア社 取締役

text by 佐藤芳之
ケニア・ナッツ・カンパニー創業者
2016年、第6回アフリカ開発会議で首相は今後3年で、約3兆円をアフリカに投資すると表明した。アフリカへの関心が高まる中、現地の事業に飛び込む若いビジネスパーソンが脚光を浴びている。
阿子島さんはケニアで青年海外協力隊のHIV対策隊員として活動。帰国後、「ビジネスを通じてできる社会貢献がある」とロート製薬に入社。2013年、現地法人のロート・メンソレータム・ケニア社を立ち上げ、再びケニアの地へ。
優しく魅力的な笑顔を振りまきながら、まず始める行動力、粘り強さで次々と難関を突破する。アフリカの多くの国では法制度が確立されておらず苦労する日系企業が多い中、彼女はケニアの認証機関と交渉し、時に国の制度を変えてしまう。ウフル・ケニヤッタ大統領との会談で同席した際には流暢なスワヒリ語で談笑。「my sister」と呼ばれるなど現地に溶け込む。海外で闘う若きビジネスパーソンのロールモデルとなるであろう。
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