本誌は昨年12月、「謝罪の流儀」という特集を企画した。それから1年。残念ながら今年も企業の不正や不祥事が繰り返された。多くの事例から浮かび上がるのは、悪い評判が広がるスピードが飛躍的に高まっている事実だ。不誠実な対応をした企業、初動を誤った企業は一夜にして社会の敵となる。そして一歩間違えば、社員ですら「自浄能力がない」と見切って離反してしまう。変化し続ける謝罪の流儀。あなたの会社はいざという時に実践できるだろうか。

(広岡 延隆、林 英樹、河野 祥平)

謝罪カレンダー 2016
1月
イーエスピー

長野県軽井沢町でスキー客を乗せたバスが転落し15人が死亡。バス運行会社が謝罪した

(写真=朝日新聞社)
2月
北海道旅客鉄道

列車脱線事故を巡りレールの検査データを改ざんし国に報告。会社や幹部、社員らが起訴された

(写真=共同通信)
3月
読売巨人軍

選手による野球賭博問題で首脳陣が交代。新たに就任した老川祥一オーナーが改めて謝罪

(写真=時事)
4月
三菱自動車

多くの車種で燃費を実際よりもよく見せていた不正が発覚。この件がきっかけで日産自動車傘下に

(写真=時事)
5月
スズキ

三菱自動車の不正を受けた調査で燃費関連の不正が発覚。鈴木修会長はCEO職を返上した

(写真=共同通信)
6月
JTB

サーバーへの不正アクセスにより最大で約679万人の個人情報が流出した可能性が判明

(写真=共同通信)
7月
東亜建設工業

羽田空港などの地盤改良工事で施工不良や虚偽の報告が発覚。多くの社員が関与していた

(写真=朝日新聞社)
8月
東京電力ホールディングス

福島第1原子力発電所の炉心溶融の公表が遅れたことを新潟県知事に謝罪した

(写真=時事)
9月
電通

デジタル広告で広告主に対して過剰請求や虚偽の報告。翌月には長時間残業問題も発覚

(写真=共同通信)
10月
東京都

築地市場移転問題で土壌汚染対策が適切でなかったことを中央卸売市場の市場長が謝罪

(写真=共同通信)
11月
大成建設

福岡市の道路陥没問題で、工事を施工した共同企業体の代表として村田誉之社長が謝罪

(写真=共同通信)
12月
資生堂

子会社の通販サイトが不正アクセスを受け顧客の個人情報が流出した可能性が発覚

(写真=時事)

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日経ビジネス2016年12月12日号 24~25ページより目次