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中国の技術力はどの程度のものなのか。半導体、ディスプレー、車載電池、自動運転、AI(人工知能)の5分野について、特許やシェアなどから分析する。

tech1 半導体
設計力はもはやトップ

(写真=UPI/アフロ)
(写真=テカナリエ提供)
中国DJIのドローン「Mavic」のプリント基板には「DJI」ロゴの半導体(下写真の右上の2個)が搭載されている

 農場や建設現場から、老朽化したインフラの点検まで、あらゆる産業分野で利用が進むドローン(小型無人機)。富士経済の調査では世界のドローン・無人ヘリの市場規模は2025年に1兆円と、17年比2.4倍に拡大する見通し。そんな成長市場の世界最大手が中国の大疆創新科技(DJI)だ。06年に広東省深圳で創業し、現在は世界シェア7割を握る。

 中国メーカー製のスマートフォン(スマホ)と同様、日本や欧米の部品を寄せ集めて組み立てただけ、とみるのは早計だ。DJIのドローンの最新機種を分解してみると、プリント基板上には「DJI」のロゴが入った半導体が搭載されているのが分かる。この半導体はドローンのプロペラを動かすモーターを制御するCPU(中央演算処理装置)で、事前にプログラムされた経路を安定的に飛行するための役割を担う。DJIは公表していないが、同社はその基幹部品を自社で設計している。

 「DJIは氷山の一角にすぎない」。こう語るのが、半導体関連のコンサルティングを手掛けるテカナリエの清水洋治CEO(最高経営責任者)。ルネサスエレクトロニクスで主管技師長を務めた後に独立、年300台を超える電子機器を分解・調査している人物だ。