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 誰しもが無理だと思っていた製品のプロトタイプが完成したのは、その2年後のこと。厚さは0.01mm。半径1mmまでの折り曲げが可能だった。そこから、外部の評価が一気に変わり始めた。

 中国IDGキャピタル、香港CITICキャピタル、中国銀行、中国農業銀行──。有力ベンチャーキャピタルや銀行が続々と出資。今年6月には深圳郊外に年5000万枚のパネルが製造できる工場を竣工、量産化にこぎ着けた。

 玉石混交。これまで中国のスタートアップ業界の状況を表すにはこの言葉がふさわしかった。そんな中国で激しい競争を勝ち抜きながら、躍進を遂げるのが、上の表に示したユニコーン企業だ。非上場ながら評価額が10億ドル(約1100億円)を超え、中国語では「独角獣」と呼ばれている。

 米CBインサイツによれば18年11月末時点の中国のユニコーンの社数は84で、米国の140に続き2番目に多い。冒頭のロヨルもそのうちの一社だ。

 中国企業の力を見せ付けるのが、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する字節跳動科技(バイトダンス)。今年11月、ソフトバンクグループなどから30億ドル(約3400億円)の投資を受け、評価額が750億ドル(約8兆6000億円)に達した。これで米配車アプリ大手ウーバーテクノロジーズを抜き世界トップに立った。バイトダンスはAI(人工知能)を駆使したデータ収集や分析力に優れ、中国では利用者の興味に合ったニュースを配信するアプリ「今日頭条」も手掛けている。

世界のユニコーン企業の約3割は中国企業
●中国の主なユニコーン企業
出所:米CBインサイツの資料から本誌作成。注:会社名は通称含む