間接部門が仕事の“邪魔”をする──。そんな不満を持つ直接部門の社員が増えている。実情に合わないルールを導入する一方、形骸化した古い仕組みは固守する。「存在意義を守るため、無理に仕事を作っている」。これが多くの直接部門社員の見立てだ。

電通(左)の新入社員による過労死自殺事件は、本社への強制捜査(右)にまで発展した(写真=2点:読売新聞/アフロ)

 JR東京駅から幹線道路を千葉方面へ下り、隅田川を渡り路地に入ると、何の変哲もない中層マンションが見えてくる。都会の真ん中にもかかわらず繁華街からは距離があり、夜になると都心とは思えない寂しさが漂う。11月下旬の平日の夜、その11階建ての集合住宅は、何事もなかったかのように街の雑踏に溶け込んでいた。

 国内最大の広告会社、電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が、この場所で自ら命を絶ったのは2015年12月25日のことだった。