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「残念な商品」の最後の共通項は、余計な追加機能を搭載していることだ。家電からアプリまで余分な機能が多いほど消費者に敬遠される傾向が強まっている。消費者の満足度を最大に高める機能の数とはいくつなのか。

 「説明書がないと操作ができない時点で、その家電は機能が多すぎる」。東京・秋葉原の新興家電メーカー、サンコーの山光博康社長はこう話す。

 同社が取り扱うのは、「あれもこれも」ではなく、「これができる」と1点の魅力を訴求する家電がほとんど。例えば、2018年3月発売の靴専用小型洗濯機「靴洗いま専科」。文字通り、泥だらけの子供靴などを洗うための家電で、子育て家庭に受けているという。

 18年1月に発売され、これまでに約2万台売れた「糖質カット炊飯器」も人気商品だ。アピールポイントは「加熱中に水を入れ替えることで、糖質が溶け出た水分を取り除いて米が炊ける」の1点のみ。糖質制限ダイエットに関心を持つ消費者に売れている。

(写真=PIXTA)
秋葉原のプロによるこんな家電は要らない ●秋葉原のヒットメーカーが避ける家電の特徴
  • 操作ボタンがたくさんある
    説明書が分厚い
    スペックだけが強み
    売り文句が説明的
  • 秋葉原名物の 「レアモノ」家電メーカー サンコーの山光博康社長
    (写真=古立 康三)
「1点推し商品」の売れ筋は?
靴洗いま専科
高さ50cmほどの小型洗濯機。靴洗いに最適とアピール
糖質カット炊飯器
炊飯中に水を入れ替え、糖質をカットして米が炊ける

 「家電をつくる技術者は、機能を追加して問題を解決しようとする。しかし多機能化すればするほど、売りの機能に絞り込んで参入する新興勢に少しずつ顧客を奪われていくだろう」と、山光社長は予言する。

 たとえ物が良くても余計な追加機能が多すぎる家電はダメ家電──。そう考えるのは山光社長だけではない。