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物がいいのに売れない──。そんな残念な事態が起きる原因の一つはキャッチコピーだ。常套句主体で、消費者の心に刺さらない宣伝文句では、今の競争市場で確実に埋もれる。逆に、コピーを変えただけで見違えるように売れ行きを伸ばす商品も存在する。

 食べ物の恨みは恐ろしい。インターネット上には、低い評価を受けた飲食店の情報をまとめたサイトさえある。

 「味が悪い」「料金が割高」「接客で嫌な思いをした」。利用者の言い分は様々だが、SNS(交流サイト)時代にネット上のこうしたクチコミの影響は大きく、さらされている「低評価店」の中には既に廃業してしまった店も少なくない。

 11月下旬、都内の低評価店の一つを訪れた。評判通りというべきか、平日の正午すぎにもかかわらず、満席にはほど遠い状況。決して忙しそうに見えない店員の姿が気になったり、割高な印象があったりもする。ただ、味自体はさほど悪くない。何かのきっかけで客が増え、人を雇うなどしてサービスを向上できれば、少なくとも5段階評価で3を割るような極端な「低評価店」の汚名は返上できる。これが第一印象だった。