訪日観光客の勢いが止まらない。「2020年に年間2000万人」の目標は既に射程に入り、さらに4000万人に引き上げる案も浮上する。「爆買い」の恩恵で、関連企業は軒並み好決算に沸く。一部の観光都市にとどまっていた効果が今、地方に波及し始めた。日本人が魅力的に捉えなかった、何気ない田舎の日常風景。それが外国人の目には新鮮に映り、貴重な観光資源に変わる。来日目的は、ブランド品の購入をはじめとする「モノ」だけでなく、自然や伝統文化を楽しむ「コト」の消費にも広がりつつある。観光資源がないと諦めていた「おらが村」に外国人を呼び込む。インバウンドの第2ステージ、それは地方創生の原動力になる。

(西 雄大、須永 太一朗、河野 紀子、武田 安恵、香港支局 白壁 達久)

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日経ビジネス2015年11月30日号 26~27ページより目次