
大手広告代理店の新入社員自殺事件を機に猛烈な速度で進む「残業撲滅」。だが、社員のサービス残業で経営を成り立たせているブラック企業は、そう簡単に消滅しそうにない。
日本労働組合総連合会(連合)などが17年に全国の被雇用者2000人を対象に実施した調査では、全体の35.7%の人が「勤務時間以外に自宅などで業務上のやり取りをする」ことが「ある」と回答している。「よくある」と答えた人のうち77.6%は「負担感やストレスを感じる」と答えた。
ブラック企業の最大の問題点は、労働者の人生や健康を“むしばむ”ことで経営を維持していることだ。原田幸一郎氏(33)もかつて、携帯電話向けサイトの製作を手掛ける企業で働き、ギリギリまで追い詰められていた。毎日深夜まで働き、会社は労働基準法など完全に無視した状態。家庭を顧みる余裕はなく、学生時代にテニスで鍛えた体も悲鳴を上げ、ストレスで15kg太った。「冗談抜きでこのままでは死ぬと思った」と原田氏は振り返る。
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