鳴り物入りで始めた「オムニセブン」を1年たらずで軌道修正する。供給者目線から脱却できるかどうかが、成否のカギを握る。

(写真=飯山 翔三)

 「クリスマス用にアイスケーキを注文したいのですが…」

 11月中旬、ある平日の午後。北九州市のセブンイレブン若松古前店を訪れた北村さつきさん(43歳)は、入店するなり店員にそう話しかけた。店員がカウンターから持ち出してきたのは白のタブレット。北村さんと世間話をしながら何度か画面をタップしていくと、注文はものの数分で完了した。

 北村さんの注文したケーキはコンビニに置いていない商品だが、北村さんは後日、この店で受け取ることができる。「職場から近いので便利。今日も昼休みの空き時間に寄った」(北村さん)。同店では、同様のタブレットを使った接客により、イトーヨーカ堂の扱うフライパンが半月で10個以上売れたこともある。

 このタブレットは、セブン&アイ・ホールディングスが新サービス「オムニセブン」向けに開発したものだ。店員向けの接客用端末との位置付けで、既に1万9000カ所を超える全国のセブンイレブンに設置を終えた。

 オムニセブンはセブン&アイがネットと実店舗の融合をうたい、2015年11月に立ち上げたサービスだ。百貨店のそごう・西武、スーパーのイトーヨーカ堂など、セブン&アイの多様な業態で販売する商品を、一つのサイトで一括購入できるのが特徴。商品は自宅に配送できるほか、全国のセブンイレブンでも受け取れる。セブンイレブンに端末を置いたのは、コンビニエンスストアで接客しながらサイト上の多様な商品を買ってもらう試みのためだ。