会社員にとって成功や努力の証しともいえる「年収1000万円」。しかし、不況や高齢化で彼らの手取りは年々減り続け、今後それがさらに加速する。50代になると6人に1人が手にするステータスだけに、あなたも決して無関係ではない。

(写真=左:HOSAKA NAOTO/GAMMA/アフロ、小泉氏と日本航空:ロイター/アフロ、右上:Reuters/AFLO、他4点:読売新聞/アフロ)

 大手食品メーカーに勤める富田晃さん(仮名・47歳)は現在、専業主婦の妻と中学校2年生の長女、小学校5年生の長男の4人暮らし。大阪府にある築6年の高層マンションで暮らす。1995年に大学卒業後、現在の会社に就職した。 年収は970万円と、間もなく1000万円に届く水準だ。国税庁が毎年発表する「民間給与実態統計調査」によれば、2017年、年収900万円超の給与所得者の数は約314万人で、全体のわずか6.4%。しかし、「2014年全国消費実態調査」によると、50代に限ればおよそ6人に1人が年収1000万円以上の世帯。富田さんは大企業における典型的な「勝ち組」の部類に入るわけだ。

 しかし「生活にまったく余裕はない」と嘆く。毎月の手取りは約50万円だが、そのうち住宅ローンで毎月12万円が消える。次に大きい出費は教育費で、私立中学に入学した長女の授業料で4万円弱。長男も昨年から塾に通い出したため塾代も3万円はかかるようになった。ピアノや水泳といった習い事に計3万円は支出している。

 食費8万円、水道光熱費2万円、携帯電話料金3万円、家族の交際費やお小遣いに6万~7万円──。毎月かかるお金を差し引いていくと手元に残るのは1万~2万円だけだ。年100万円のボーナスはなるべく貯蓄に回しているものの、冠婚葬祭や旅行などのイベントが重なると出費はかさみがち。長女の中学入学金など、まとまったお金も定期的にかかる。足元の預貯金はここ数年、500万円のラインを行ったり来たりする状態だ。