トランプ次期大統領は国内だけでなく、国外でも壁となりそうな難題を抱えることになる。特に米国の覇権に挑戦し始めた中国との関係は世界を揺るがしかねない。両国の行く末は、間に位置する日本の未来をも左右する。

映画監督スティーブン・スピルバーグ氏(左)の制作会社はジャック・マー氏(右)が率いるアリババ集団と提携した(写真=VCG/Getty Images)

 10月9日、中国ネット通販最大手、アリババ集団は中国・北京で映画部門の発表会を開いた。同社の創業者、ジャック・マー会長とともに登場したのは、「E.T.」や「プライベート・ライアン」を監督した米映画界の巨匠、スティーブン・スピルバーグ氏だった。

 アリババ傘下の映画会社、アリババ影業集団はこの日、スピルバーグ氏らが設立した制作会社、米アンブリン・パートナーズと提携すると発表した。アリババはアンブリンの少数株主になるとともに、経営陣にも人材を送り、資金の調達から作品の制作まで幅広く協力する。

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出所:米国国際教育研究所

 マー氏は発表会で「スピルバーグ氏は世界で最も影響力のある映画人であり、企業家だ。今回の提携は、世界のコンテンツへのニーズが高まり続けている中国の次世代の消費者にプラスの影響を与えるだろう」と話し、スピルバーグ氏と未来の技術などについて語り合った。

 スピルバーグ氏もついにチャイナマネーの軍門に下ったか──。今回の提携にはこんな見方も出ている。というのもここ数年、ハリウッドと中国は急速に接近しているからだ。

 中国の不動産大手、大連万達集団(ワンダ・グループ)は今年1月に米映画会社、レジェンダリー・エンターテインメントを35億ドル(約3700億円)で買収した。さらにワンダは、ソニーの映画子会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントとも提携した。

 アリババと並ぶ中国のネット大手、騰訊控股(テンセント)も今年8月、米STXエンターテインメントに出資した。