熱心な顧客の基盤をつくるには地道な取り組みが必要で、時間も手間もかかる。優先すべきなのは、今の顧客の実態を検証し、本物のファンを探り出すことだ。ファン作りの後発企業にとり、ヒントになりそうな4社の事例を紹介する。

飽きられない戦術
「松下太郎」が2万人少数のファンと交流

 「松下太郎が2万人もいる」──。パナソニックが運営する1000万人規模の会員組織「クラブパナソニック」の運営を担当する、カスタマーエンゲージメント推進部増田健二部長は会員データを目の前にして、驚きを隠せないでいた。

 国内の家電市場は人口減少とともに縮小するのは目に見えている。当然、新たなユーザーの開拓も厳しい。そこでパナソニックが目指したのが「愛用者にもう一度振り返ってもらう」こと。そんな狙いから2007年からクラブ組織をスタートしたが、「会員数は増えたものの、本当に売り上げにつながっているのか分からなかった」という。

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この記事はシリーズ「特集 熱狂顧客が なぜ冷める 縮小市場で飽きられない12の戦術」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。