熱心なファンの声は魅力的な商品やサービスを生み出す原動力になる。重要なのは愛着が強く、熱量の高い少数のファンの意見を深く聞くことだ。自分たちの狙いやこだわりが顧客とずれていないのかを確かめる機会にもなる。

「頼られたい」気持ちに点火

<span class="fontBold">毎月のネスレ製品の購入額は5000円程度。「趣味でやっているので、全額自腹」と笑う森下惠子さん</span>(写真=稲垣 純也)
毎月のネスレ製品の購入額は5000円程度。「趣味でやっているので、全額自腹」と笑う森下惠子さん(写真=稲垣 純也)

 「自分の意見を商品に反映してくれる。愛着のある会社と一緒に1つの形に仕上げていく経験も楽しい」。こううれしそうに話すのは、エジプト大使館文化・教育・科学局(東京・目黒)に勤める森下惠子さんだ。森下さんはネスレ日本のオフィス向けのコーヒー定期配送サービス「ネスカフェ アンバサダー」のアンバサダー。自ら手を挙げ、ネスレから職場に無償貸与される専用マシンの管理やコーヒーなどのネスレ製品の発注を担当している。

<span class="fontBold">キットカット たのめるくん</span>(写真=稲垣 純也)
キットカット たのめるくん(写真=稲垣 純也)

 その森下さんが商品開発に携わったのが、2017年12月にネスレが提供を始めたキットカットの発注機能付き収納什器「キットカット たのめるくん」(現在は受け付け終了)だ。

 全国のオフィスでキットカットの消費を促す仕組みを考えていたネスレから相談を持ちかけられた森下さんらアンバサダーは、座談会で披露されたアイデアに対して、率直な意見を出し合った。「什器が大きいと職場に置きにくい」「複数の味を選べるようにしてほしい」。こうした声をネスレは丁寧に拾って、たのめるくんを完成させた。

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