鉄壁のプロジェクトマネジメントで世界各地に巨大プラントを作ってきた日揮。大型・複雑化する現場を束ねる人材を育成できず、19年ぶりの赤字に陥った。

旧知のクウェートから久々に大型案件を受注した日揮。だがトラブル続出で多大なコストを計上している(アラビア湾の臨海部に面した同国の製油所群)(写真=AFP=時事)

 アラビア湾の最奥部に位置する中東有数の産油国、クウェート。夏には最高気温が50度以上に達し、海から運ばれてくるすさまじい湿気にさらされる砂漠の国だ。

 首都クウェート市から南方へ約50km車を走らせると、「アハマディ」地区に広がる巨大な製油所群が姿を現す。クウェート国営石油会社は2014年、国の経済を支えるこの製油所群の大規模改修工事の実施を決めた。石油に含まれる硫黄分低減など、主要消費国の環境規制に対応するためだ。全体を3つのパートに分け、このうち1つをGSエンジニアリングなど韓国企業2社と組んだ日揮が受注した。

 日揮は脱硫装置や冷却装置などを中心とするEPC(設計・調達・建設)を担当。企業連合の受注額は当時のレートで約5000億円、日揮の取り分は3分の1だ。世界各地の厳しい現場でのプロジェクト管理に定評のある日揮。しかも石油精製に関連した業務といえば実績も豊富でお手の物のはずだった。