半世紀ぶりの国産旅客機として期待を集める三菱重工業の「MRJ」。だが初号機は5回の納入延期に追い込まれた。失敗を生んだ「過信」の構造に迫る。

1回目 |
2009年9月 主翼を炭素繊維複合材からアルミへ材料変更 炭素繊維複合材は十分な軽量化につながらないと判断。併せて、客室スペース拡大と、積載作業効率化へ貨物室を2カ所から1カ所に集約。 |
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2回目 |
![]() (写真=時事)
製造現場で不適切行為、MRJの製造工程も再検証 三菱重工でボーイング向け航空機部品などに関連し、検査工程省略などが発覚。MRJの製造工程も抜本的に再検証。 |
3回目 |
![]() (写真=共同通信)
サプライヤーからの装備品の仕様固めが難航 機体内部の装備品に関わる詳細なスペックを固めるのが難航。海外サプライヤーとの折衝にてこずる(写真は東京・港の三菱重工本社)。 |
4回目 |
2015年12月 外国人有識者の進言で、地上試験の内容を拡充 机上の解析作業への依存を減らし、機体に関する地上試験の内容を質量ともに拡充。当局の安全性審査に対する説得力を高める。 |
5回目 |
2017年1月 外国人有識者の進言で、電気配線の設計変更 2万3000本の電気系統の配線を全面的に見直し。安全性を立証しやすいよう、国際標準の設計手法を採用。一部装備品の配置も分散。 |
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