監視技術は仕事場に広く普及している。スマホもパソコンも、操作は会社に筒抜けだ。オフィス内は「壁に耳あり障子に目あり」。皮膚振動から、深層心理すらも読み取られる。

- スマホ監視で取れる情報(例)
- インターネット接続したアドレスや時間
- 電話の発着信情報(相手、日時、通話時間)
- アプリの利用情報(日時、アプリ名、利用時間)
- 1分や3分ごとの位置情報(移動履歴)
- メールの送受信相手や内容
- 遠隔で画面ロックやデータの初期化
- SDカードの抜き差し
東京都心、とある公園の昼下がり。ビジネスパーソン風の男女が熱心にスマートフォンの画面をのぞきこんでいる。取引先とのアポイントを取るメールか。帰りが遅いことを知らせる家族へのメッセージか。はたまた、最近はまっているアプリのゲームか。そのスマホが会社からの貸与品なら、行動はきっと筒抜けになっている。
業界関係者によると、日本では約350万台のスマホが常時、会社から監視されているという。主役は「MDM」というモバイルデバイス監視ツールだ。
1分ごとに居場所を特定
数あるMDMの中で近年、評価を高めているのが、エムオーテックス(大阪市)の開発した「ランスコープAn」だ。スマホを持つ社員がどこで、何をしているのか、詳細なデータが取れることをアピールし、導入社数は既に3500社に達した。
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この記事はシリーズ「特集 ここまで来た監視社会 勃興する第2のGAFA」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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