新たな健康法であるが故、糖質制限には様々なメソッドや教えが存在する。「全ての炭水化物をやめねば効果がないのか」「接待や会食ではどうすればいいのか」。そんな悩みを抱える経営幹部のために、持続可能性が高く正しい糖質制限を紹介する。

糖質制限界をリードする医師が助言
江部 康二氏<br /> <span>高雄病院理事長</span>
江部 康二氏
高雄病院理事長
糖質制限を始めるなら、最初にがくんと糖質量を減らし、少しずつ緩やかにしていきましょう。目に見える効果が出ると、意欲的になれます。(写真=水野 浩志)
山田 悟氏<br /> <span>北里研究所病院<br /> 糖尿病センター長</span>
山田 悟氏
北里研究所病院
糖尿病センター長
30代半ば以降になると、健康診断の結果がどんなに正常でも、血糖値は上がりやすくなりますから低糖質な食生活を意識しましょう。(写真=竹井 俊晴)

 大流行を続ける糖質制限だが、間違った知識を持つ人も多い。まず、「糖質制限=糖質を一切取らない健康法」は誤りだ。栄養不足で毛髪が薄くなったり、肌が荒れたりしかねない。

 既に指摘した通り、糖質を完全に断つ必要はなく、一定の範囲に抑えればよいという専門家が多数派。米国糖尿病学会で「ローカーボ・ハイファット・ダイエット」と呼ばれているメソッドだ。まずは、「ご飯を70g(約0.5杯)にすれば、おかずは気にせず食べて構わない」(北里研究所病院の山田悟医師)。

次ページ 「とんかつ衣剝がし」はやりすぎ