現場が苦しいからと言って、便利さの追求をやめれば社会インフラではあり得ない。この試練を乗り越える自己革新を遂げれば、創業以来の大きな飛躍が可能になる。

<span class="fontBold">今年9月に本格稼働したセコマ子会社のヨーグルト工場(北海道豊富町)。生産にも手を広げ、収益源を多様化している</span>
今年9月に本格稼働したセコマ子会社のヨーグルト工場(北海道豊富町)。生産にも手を広げ、収益源を多様化している

 サービス産業生産性協議会の2017年度の顧客満足度調査で、セブンイレブンを抑えて、コンビニエンスストアの1位となった企業がある。北海道で「セイコーマート」1000店超を展開するセコマ(札幌市)だ。11年度以降、今年度を含めて6度、トップに立っている。

 大手チェーンとは一線を画して、地元の顧客ニーズを吸い上げる独自のコンビニ経営によって、道内でシェア首位は盤石だ。食品生産の自社工場を持つのが特徴で、今年9月にはヨーグルト工場を本格稼働させた。店内調理した食事を提供するコーナー「ホットシェフ」も集客力が高い。

 顧客に寄り添うことを起点として、各店舗の営業時間も徹底した議論の末に、決定している。丸谷智保社長は「24時間営業の必要性について、あるいは営業時間を延ばすか短くするかなど一定の期間で見直している」と語る。

 札幌市から北東へ200km。北海道紋別市に今年8月、セイコーマート上渚滑(かみしょこつ)店がオープンした。一帯は過疎化が進み近隣で生活している住民も900人前後と少ない。そのうち4割以上を65歳以上の高齢者が占める。「普通ならコンビニは成立しない立地ですよ」と、丸谷社長は話す。それでも同社は、地元の要望に応えることができた。北海道というマーケットに応じて、もがきながらもビジネスモデルを進化させてきたからだ。

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