今の時代に顧客を囲い込む最後の方法は、顧客の五感に訴えることだ。どんな人も五感で覚えた快感には、無意識のうちに依存してしまう。人類共通、国境を越えても通用する最強の囲い込みだ。

 米アップルが9月16日に発売したスマートフォン「iPhone 7 / Plus」の販売不振が報じられている。市場調査会社BCN(東京都千代田区)が主要家電量販店に対し実施した調査で、2015年9月発売の「iPhone 6s / Plus」に比べ台数ベースで42%減となったという(ITpro)。

 だが、これをもって「アップル人気に陰りが出た」と判断するのは的外れのようだ。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク3社は「予約状況は過去最高である」と表明しており、「42%減」の背景には、新色へ需要が偏って品切れを起こし販売機会を逸したことが大きいという声もある。

 むしろ、モデルチェンジからわずか1年で、人気色の在庫が十分でなかったにもかかわらず、前回比6割の販売台数を維持したこと自体、アップル人気の根強さを示しているとも言える。

 かくして今も、世界中で多くの顧客を囲い込み、“依存”させ続けるアップル。その顧客を“とりこ”にする工夫は、一般の消費者が想像するよりはるかに緻密だ。