高齢者を主戦力にできる企業が、「無定年」時代には数多く求められる。やる気を引き出すための年金と賃金のベストバランスはどうあるべきなのか。

大手ホームセンターのカインズは4月、シニア社員が生涯働ける制度を導入。左は、技能訓練トレーナーを務める瀬谷正一氏(67)(写真=菊池 一郎)

 シニアを取り巻く雇用環境は厳しい。希望する社員全員を65歳まで雇用することを義務付ける「高年齢者雇用安定法」に基づき、8割の企業が60歳の定年後も働ける再雇用制度を導入している(次ページのグラフ)。しかし、その実態はPART2でも見た通り。給与はぐんと下がるケースが多い。定年年齢を引き上げたり、定年を廃止したりする企業はまだ少ない。「無定年」時代を意識した雇用は、まだ発展途上だ。

 シニア人材の強みは何か。仕事で使う能力は、新しいことを身につけて環境変化に対応する「流動性能力」と知識や経験の蓄積を基に問題解決を図る「結晶性能力」の2つに大きく分けられると、シニア活用を指南するコンサルティング会社、自分楽(東京・文京)の崎山みゆき代表は言う。加齢とともに前者は衰えるが、後者は逆に高まっていくとされる。