ガレージから生まれたネット書店は、ITの巨人たちをしのぐ巨大帝国に変貌した。株価1桁の窮地から15年、あらゆる事業に乗り出し巨大化する姿に、ライバルは戦慄が走る。

シアトルのダウンタウンにあるアマゾンの本社一帯。世界中の植物を栽培するバイオドーム「スフィア」や社員が連れてくる犬のためのドッグパークまである(写真=Hayley Young)

 9月7日、全米がそのニュースに沸いた。アマゾン、第2本社を建設へ──。

 米アマゾン・ドット・コムは50億ドル(5500億円)を投じて北米に新たな本社を建てる。雇用効果は5万人。その瞬間から、全米の巨大都市による壮絶な「誘致合戦」が始まった。すでにデンバーやシカゴ、マイアミ、サンフランシスコ、ニューヨークなどの大都市が名乗りを上げた。隣国カナダのトロントも参入を表明している。

 過熱するのも無理はない。CEO(最高経営責任者)のジェフ・ベゾスが創業の地に選んだ米西海岸のシアトルは、アマゾン効果で空前の活況を続けている。