国内銀行界の現状を理解するためには、その起源から足元までの歴史をひもとく必要がある。不良債権との長い戦いは終わったが、ビジネスモデルの構造変化という静かな危機が訪れている。
日本の銀行の歴史をひもとくと、大きく3段階に分けることができる。
まず、戦前に銀行が誕生し、戦後の高度成長期に確立する「護送船団方式」の時代。次に来るのが、1991年にバブルが崩壊して以降の、「不良債権との戦い」の時代。そして、公的資金を完済した3メガバンクがリーマンショックを乗り越えた2000年代後半から「静かな危機」の時代へと移行する。
日本の銀行の始まりは、渋沢栄一氏が中心となって1873年に設立した第一国立銀行だ。1876年以降は行名に数字が入った「ナンバー銀行」の設立が相次いだ。メガバンクには当時のナンバーは残っていないが、地方銀行では第四銀行や七十七銀行、八十二銀行などが現在まで残っている。
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