産業育成の担い手、企業再建の立役者。従来、銀行に期待されてきた社会的役割は大きかった。だが、いま目に付くのは、自行の利益確保に汲々とし、消費者向けカードローンにまで傾斜する姿だ。

産業の育成や、企業の再建・再編を通じて日本経済を成長に導く。それが、日本の銀行が脈々と果たしてきた重要な役割の一つだった。幅広い産業を熟知したメーンバンクとして、世界経済の中で競争力を確立する大きな構想力を持っていた。
だが、東芝やシャープ、三菱自動車など、近年経営危機に陥った企業がたどった道を見れば、現在の銀行がその期待に応えているかは疑問だ。
経営が不安定になったら、資産を切り売りさせて自行の債権回収を最優先する。そんな批判がついてまわる。
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