続々と現れるフィンテック企業は、決済や金融仲介など銀行の領域を侵食し始めた。ITの進化がもたらした銀行の「独占」崩壊。活路を求めベンチャーと手を組む動きも出てきた。
日本の複数の銀行が、ある小国の起業家が生んだベンチャー企業と提携交渉を進めている。関係者によると年内にも交渉がまとまる見通しだという。
その小国とは、バルト3国の最北に位置するエストニア。人口約130万と規模は小さいが、世界の通信会社の電話ビジネスを“破壊”した無料通話ソフトの代表格「Skype」を生んだ国としてIT業界では知られている。彼の地が新たな世に送り出した破壊者は、銀行の基本機能である「決済」の市場を侵食し始めている。
2人のエストニア出身者が2011年に立ち上げた英トランスファーワイズ。海外にお金を送ったり、海外からお金を受け取ったりする海外送金サービスを世界で展開している。銀行に比べて手数料が最大で10分の1程度まで安くなる点が世界で支持されて急成長している。現在の月間の海外送金額は12億ドル(約1300億円)に及ぶ。
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