企業向け融資が伸び悩み、超低金利で利ざやは縮小、銀行の土台が揺らぎ始めた。危機感を覚えたメガバンクや地銀で、改革の動きが本格化しつつある。

(写真=ロイター/アフロ)
(写真=ロイター/アフロ)

 「プラットフォームに乗ってほしい? うーん。最近はプラットフォームがたくさんありすぎますよね」。返ってきたのはそんな反応ばかり。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)でフィンテック関連の新事業開発を担当するイノベーション・ラボの上原高志所長は、「三菱UFJ」のブランド名が通用しないことを痛感した。

 ラボの設立は昨年1月。当初はMUFGの資産を生かして決済や融資、セキュリティー、生体認証などの機能を備えたプラットフォームを用意し、健康関連や観光など様々な事業者に利用してもらうビジネスを構想していた。

 だが、現実は甘くなかった。多くの企業に持ちかけても、なかなか話が進まない。協業して新サービスを生み出すオープンイノベーションの時代にあっては、ブランド名よりそれぞれが最善の機能を持ち寄ることが重要だ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り4348文字 / 全文文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「特集 もう銀行はいらない」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。