銀行が産業界を支え、日本経済の成長を主導してきたのは遠い昔。優良企業からは頼りにされず、不振企業の再建でも存在感は薄れる一方だ。見かけの業績こそ高水準だが、外部環境の変化は銀行を静かに蝕んでいる。一朝一夕には治らない“生活習慣病”に気づき、メガバンクを筆頭に改革に乗り出した。金融とIT(情報技術)を融合させたフィンテックの台頭で、銀行機能の「独占」も崩れ始めている。銀行は歴史的な役割を終え、静かに滅ぶのか。変革を遂げ生き残るのか。前例が通用しない戦いが始まっている。
(広岡 延隆、高槻 芳、杉原 淳一)
CONTENTS
PART 1
三菱UFJ、三井住友、りそな、静岡銀行
忖度抜きで意見出せ 改革に焦る銀行
PART 2
将来の成長領域で柔軟対応
フィンテック取り込み ベンチャーと協業加速
PART 3
大企業再建、中小融資、カードローン
使命はどこへいった 問われる存在意義