「若者は○○」とレッテルを貼るのも、流行に「ただ乗り」するのも極論を言えば無意味だ。彼らの本質的な欲求をくみ取り、主体的に誘引の仕掛けを作ることが今こそ求められている。


8月下旬の平日夜、東京都新宿区の歌舞伎町では満席近くになった居酒屋に若い男女がひしめいていた。彼ら彼女らは友人同士ではなく、この店でこの日初めて出会ったばかり。セクションエイト(東京都品川区)が運営する“婚活応援酒場”の「相席屋」だ。
相席屋は単なる居酒屋ではない。商品は酒ではなく、男女の出会いだ。連れ立って訪れていた山本梓さん(28歳、仮名)と田中美幸さん(27歳、同)はいずれも相席屋で前の彼氏を見つけた。「平均して週に1回は来ているし、男友達も増えて満足」と笑顔を見せる。
この相席屋が、苦境の外食業界で異彩を放っている。若者の「酒離れ」を指摘する声もなんのその。店舗数は約70店と大手には及ばないが、あるビールメーカーの主力ビール類商品の消費量は、外食業界で第2位を誇る。客層も女性客の8割、男性客の6割が20代と、中高年層が幅を利かせる他の居酒屋とは一線を画している。
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