少子高齢化で労働人口の減少が避けられない日本。多くの企業は将来の人手不足を回避すべく、海外進出に一段と力を入れている。言葉の壁、商習慣の差、駐在員の安全確保…。海を越えるのは簡単でない。それでも、全ての日本企業と日本人が確信していることが1つある。「人口増加が続く海外なら、国内のように人手不足に陥ることは絶対にない」だ。だが、そんな日本企業の目算が幻想だったことが明らかになりつつある。新興国ともなれば街は人であふれている。失業率も高い。にもかかわらず、優秀な若い人材ほど日系企業を敬遠するケースが特に増え始めた。世界中で尊敬されてきた日本企業が“地球どこでも人手不足”に陥るのはなぜか。背景には、日本人が海外で実践してきた「勘違い雇用」がある。
(香港支局長 白壁 達久、西 雄大、中 尚子)
(デザイン=藤田 美夏)
CONTENTS
PROLOGUE 街は人であふれているのになぜ?
東証1部企業、祈祷師を雇う
Part1 日本産業界 世紀の誤算
実は今、海外の方が採用難
Part2 世界に広がる“悪い評判”
日本企業、敬遠される理由
日系企業のここが駄目【1】 そもそも新興国をなめている
日系企業のここが駄目【2】 採用・人事が差別的
日系企業のここが駄目【3】 日本式を押し付ける
駐在員、嘆きの誌上座談会 採り負けを俺たちのせいにするな
Part3 事態は今後、一段と悪化
世界規模で消える“使える人材”