環境問題を語る時、忘れてはならないのは人為的な環境破壊だ。工業化を果たせば、大気や水は汚れる。日本がたどってきた環境破壊の道のりを新興国が今、歩む。

大気汚染が深刻なインド(下、左上)。WHOのPM2.5の濃度を基にしたランキングでも多くの都市が上位に入っている。経済の発展とともにナイジェリア(右上)などアフリカの各都市も大気汚染が指摘されるようになってきた(写真=左上:Hindustan Times/Getty Images、 右上:AFP=時事、下:Barcroft Media/Getty Images)

 まずは下のランキングを見てほしい。これは世界保健機関(WHO)が2016年に更新した世界約3000都市のPM2.5の濃度を基に作成したランキングである。トップはイラン東部の都市、ザーボル。2位と3位はインドのグワリオール、アラハバードという都市だ。4位と5位にはリヤドなどサウジアラビアの都市が並ぶ。さらに、ナイジェリアやカメルーン、ウガンダなどアフリカの国々の都市もランキングに入っている。

 微小粒子状物質の一つで健康に害を及ぼすPM2.5。数年前には中国の深刻な汚染状況が日本で連日、報道されたが、その脅威は中国のみならず、アジアからインド、中東、アフリカと広範囲に広がっている。WHOによれば、世界で都市と呼ばれるような地域の80%以上が、WHOの基準値を超える汚染にさらされているという。