組織ぐるみで実行した不正な会計操作を「不適切会計」と言い換え、直接の指示を否定しつつも、歴代3人の社長が辞任した。第三者委員会は核心に切り込まず、お手盛りの報告書でお茶を濁す。そして辞任した3社長は、不思議なことに今なお出社を続けている。東芝は根本原因に蓋をしたまま、問題の幕を引こうとしている。果たしてそれで許されるのか。試されているのは日本の正義だ。まずは現場から噴出する悲鳴に耳を傾けよう。腐食の原点はそこにある。
=敬称略(清水 崇史、小笠原 啓、宗像 誠之、広岡 延隆、林 英樹、編集委員 大西 康之、主任編集委員 田村 賢司、坂田 亮太郎)
●2009年3月期から2014年4~12月期までの累計

CONTENTS
- PART1
現場から悲鳴が噴出
告発が暴いた「病巣」 - PART2
不正の動機は何か
6600億円買収の誤算 - PART3
いかにして東芝は
不正会計に“成功”したか - PART4
監査法人の限界が露呈
東芝が壊した市場の信頼 - PART5
守るべきは会社か正義か