ゲーム進化で新たな火種も

 例えば、広島市や長崎市は原爆死没者を慰霊する公園内にあるポケストップやジムの削除を米ナイアンティックに要請。北海道大学も、学生などが事故を起こしたり、立ち入り禁止区域に侵入したりする危険性があるとして、削除を要請した。

 ナイアンティックはポケストップやジムの削除対象の条件について、「既に存在しない場所」「歩行者の安全性が確保できない場所」「立ち入りが制限されている場所」としながら、個別に判断するとしている。

 7月末、ナイアンティックのジョン・ハンケCEOは米国のイベントに登壇し、初代ポケモンからの基本機能であるポケモンの「交換機能」をポケモンGOでも開発中と明かした。実現すれば、金銭による売買や未成年者を対象とした不正行為など、新たな火種となることは必至だ。

 だが、ポケモンGOは社会にメリットももたらしている。

 PART1で見たように、ハンケCEOは「人を外に連れ出すことは社会にとって良いこと」という信念の下、事業に取り組んでいる。実際、欧米ではポケモンGOがうつ病や肥満の改善に役立っているという報道も相次いでおり、日本でも引きこもりがちだった子供が外出するようになった例が報告されている。

 ハンケCEOの信念に深く賛同した任天堂やポケモンもまた、子供たちの笑顔を守ることを不文律としてきた。目先の利益を目的に、射幸性の高いソーシャルゲームや、パチンコ・パチスロへのライセンス供与をしてこなかったのはそのためだ。ポケモンGOへの姿勢も同じであり、その思いは多くの人々に届いた。大規模な公園に行けば、すぐにポケモンGOに興じる親子や子供たちの笑顔を見ることができる。