工場の生産性向上から始まった「第4次産業革命」が、ドイツ企業のビジネスモデルを根本から変革し始めた。筆頭がアディダスだ。急速なデジタル化により、革命の「第二幕」が始まっている。

<b><!--layout:id=01a-->アディダスが年内に発売予定の新シューズ「フューチャークラフト 4D」の製造の一場面。3Dプリンター技術を使い、ソールを高速で生産する</b>
アディダスが年内に発売予定の新シューズ「フューチャークラフト 4D」の製造の一場面。3Dプリンター技術を使い、ソールを高速で生産する
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 スポーツ用品世界大手のアディダスが今年7月、母国ドイツで、これまでにない方法で靴の生産を開始した。上の写真は、稼働した新型工場で作られ、今秋にも発売する新商品「フューチャークラフト 4D」シリーズの製造シーンの一コマだ。

 見慣れない円筒型の装置内部の容器には、薄緑色の液体が満たされている。その液体の中から、格子状に編まれたような靴底(ソール)が、ロボットアームに引き上げられてじわじわと姿を現す。これは、スニーカーなどのソールのクッション部分。靴の履き心地を左右する付加価値の源泉だ。生産に使われるのは、デジタルで描かれた設計図通りの立体物を作る、「光造形法」と呼ぶ3Dプリンター技術である。

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