失われた20年、挑戦の場失う

 今の50代は、経済白書が「もはや戦後ではない」と宣言した1956年以降に生まれている。右肩上がりで成長していける夢を、生まれながらにして刷り込まれた世代だ。

 団塊世代による学生紛争が終わった後、「楽しさを追求して大学を一大合コン場にした」(博報堂新しい大人文化研究所の阪本節郎・統括プロデューサー)。就職後は、情報誌「ポパイ」などを片手にバブル期の消費をけん引した。

 だがバブルは崩壊し、山一証券などが破綻。2000年代前後からは、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の象徴だった電機各社が業績不振に陥いる。「失われた20年」で経済が成長の歩みを止めたことで、今の50代には挑戦する場を与えられ成長する機会が少なかった。

 それが、50代経営者の存在感の薄さにもつながるのかもしれない。日経ビジネスが2014年夏に経営者に実施した調査「社長が選ぶ ベスト社長」では、トップ30(31人)のうち、ゆでガエル世代(1957~66年生まれ)のトップは、5人だけ。ソフトバンクの孫正義社長(58歳)など創業者、もしくは創業家出身者を除けば、サントリーホールディングス(HD)の新浪剛史社長(57歳)など2人しかいない。ランキング上位に居並ぶ日本電産の永守重信・会長兼社長(71歳、1位)やファーストリテイリングの柳井正・会長兼社長(67歳、6位)などの団塊以上の著名経営者と比べれば、明らかに目立たない。

 人材コンサルティング会社コーン・フェリー・ヘイグループの高野研一社長は、「今の50代は団塊世代と同様に出世できると最後まで夢見て、その結果、会社に飼いならされてしまった」と分析する。ならば、50代はどうすればよいのか。PART2では50代男性の代表として、作家の真山仁氏に話を聞く。

50代の「ゆでガエル」な会社人生
●働く男性に聞いた「仕事人生の幸せ度」
<span>●働く男性に聞いた「仕事人生の幸せ度」</span>
注:日経BPコンサルティングが実施した「仕事と家庭に関するアンケート」で、働いている男性に仕事人生の幸せ度を5段階で評価してもらった。その結果を-1~1点で換算し指数化。幸せ度最大が100、最低が-100。調査概要はCOLUMNに記載
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●団塊世代とゆでガエル世代の時代背景
<span>●団塊世代とゆでガエル世代の時代背景</span>
(写真=左下:日刊スポーツ/アフロ、右上:Picture Alliance/アフロ、背景:アフロ)
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(写真=左から:日刊スポーツ/アフロ、AP/アフロ、ロイター/アフロ、毎日新聞社/アフロ)<br />注:団塊、ゆでガエルの両世代の事例は、それぞれの世代の真ん中で、大卒の会社員を想定<br /> 出所:内閣府のデータなどを基に編集部で作成
(写真=左から:日刊スポーツ/アフロ、AP/アフロ、ロイター/アフロ、毎日新聞社/アフロ)
注:団塊、ゆでガエルの両世代の事例は、それぞれの世代の真ん中で、大卒の会社員を想定
出所:内閣府のデータなどを基に編集部で作成
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日経ビジネス2016年8月8日・15日号 26~29ページより

この記事はシリーズ「特集 どうした50代! 君たちはゆでガエルだ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。