突然のポストの剥奪や給与の減額、自主退社を勧めるようなキャリア研修…。50代のサラリーマンの多くが、会社からの“仕打ち”にやる気を失っている。変化に目を背け、身動きが取れなくなった「ゆでガエル」は、現実を受け入れられない。

梅雨明けの7月下旬、多くのサラリーマンでにぎわう新橋の飲み屋街。50代と見られるサラリーマンも多く、その顔には疲れの色がにじむ(写真=的野 弘路)

 「ゆでガエル世代」──。

 日経ビジネスは、今の50代をこう命名する。50代の読者にとっては、不愉快な話だろう。しかし、現状を冷静に分析すれば、そう指摘せざるを得ない。

 カエルは熱湯に放り込むと驚いて飛び出すが、常温の水に入れ徐々に熱すると水温変化に気が付かず、ゆで上がって死んでしまう。この寓話はまさに、今の50代、とりわけ多くの男性の会社人生にそっくりだ。

 彼らの会社人生はバブル経済到来とともに幕を開けた。数年後に30歳前後でバブルが崩壊。その後もITバブル崩壊やリーマンショックなど幾度となく危機が訪れた。ところが、「このまま安泰に会社員生活を終えられる」と、厳しい現実から目を背けてきた。そして50代になった今、過酷な現実を突きつけられ、ぼうぜん自失となっている。

 平日、サラリーマンでにぎわうJR新橋駅。夜この町を歩くと、ビール片手に愚痴を言い合う、ゆでガエルたちの姿がそこかしこにある。